いけないのは、主食の規制値を500ベクレルにしたままの国だと思っています


親戚や知り合いの農家では県が調べる結果を本当に心千切れる思いで待ち、その結果、規制値を遥かに下回る数値、すなわち不検出でした。(この不検出という言葉は、熟考しなければいけません。下限値が10ベクレル以下のものでなければいけないと思っています)
食の産業がお米を新しく仕入れる時、消費者の反応を考慮して独自に検査するかもしれません。(笑ってしまうような簡易検査で「大丈夫です」と発表しているところも中にはありますので自社検査ほど危ないものはないと思っていますが)
給食はどうでしょう?
牛肉の時同様、ザル状態で子供達の口に入る危険性があります。
私は、それを止めたい。
そう思っています。
高性能な検査装置で余さずきっちり測り、福島だろうが茨城だろうが栃木だろうが埼玉だろうが、群馬だろうが、山形だろうが、宮城だろうが、岩手だろうが、大雑把な県単位の検査ではなく、ホットスポットになりやすい山間の棚田や、扇状地の田や、関東平野の田や、その他様々な条件で、土壌の専門家の下、福島第一原発からの距離だけでなく、県単位で括るのではなく、地形も含めた正確なデータをつくって欲しいと思います。
例えば、山間部の土はアロフェン黒ぼく土が多いからセシウムストロンチウムを吸着して離さないという性質を持ちますが、原発から、余りに近く、天候や地形的に大量の放射性物質が降ったのであれば、その効果は逆にマイナスになるかもしれません。
それらの土はそれらのミネラル(セシウムカリウムストロンチウムはカルシウム)をコントロールする訳ですから、大量に含まれていればコントロールの範疇外となり、逆に、年月が経っても、ずっとそれを保ち続けて、きれいな土壌に戻りにくいということも起こるかもしれません。

とにかく、風評被害を防ぐためには、もの凄い量のデータが必要なのです。
しかも、精密な!

今だけ、今年だけ食べなければ大丈夫ではダメなのです。

確かに、2年後にはセシウム134が検出されなくなり、セシウム137の数値だけになりますから、数値的には安心かもしれません。

でも、そんな甘い数値で満足していてはいけないのです。

子供達に日本の美しい自然を残すにはセシウム137ストロンチウム90の半減期30年と戦わなければいけないのです。

計測などしなくても安全な食と自然を作り出さないといけないんです。

もちろん、どうしても不可能な土地も出てくるでしょう。なぜ、不可能か、答えを出さなくてはいけません。
(※現在は不可能でも長いスパンで可能にすることだって、目指せるから、科学者等、研究者は諦めてはいけないと思います)
(顔料を使って除染する方法を開発したところがある、というのをネットで見ました。汚泥の除染のため、国をあげて開発して欲しい)

現在のところ先が見えないから、刹那的に対処するしかできない国民のストレスをどうやって解消していくのか?

政治家、官僚の方達にはもっともっと広範囲で勉強していただいて、ご自分の意見をしっかり持ち、少人数の専門家の意見で国を動かさず、多くの専門家を動員し、頑張っていただきたい。

不確定なものに多くの学説が生まれるのは当たり前のことです。

年間100ミリシーベルトまでは安全という学説だってあるでしょう。

けれど、現実に、毎時19マイクロシーベルト(年間100ミリシーベルト)以上のホットスポットが其処彼処に存在する以上、その、年間100ミリシーベルトという学説にさえ、到達する放射線に日本の一部は晒されている事を考えてもらいたい。
(除染してもあまり効果が見られない場所や、山林など多すぎて除染しきれない場所は思い切って閉鎖も考えて欲しい)(福島のホットスポットは都内と桁が違う恐ろしい値だったりするはず、そんな場所はきっとそこらじゅうにあります、測っていないだけです)

ならば、せめて、食による内部被爆は避けなければいけない。

私達国民は、生データになりたくない。このストレスと戦う国民を何時、国は安心させてくれるのか?

今後、万全を期して、念には念を入れて、ということができない国ならば、今回事故が現実に起こったように、いつもいつも後手後手の国民を守れない、統治能力のない、弱体国家となってしまうのではないでしょうか?

たとえば、送電分離を進めて、電気の自由化を促進することは、今後の日本の産業や科学の発達を促進することになると思いますし、安全な日本を作る第一歩だと思います。


今後、学問だけでない、机上の空論だけでない、真に聡明な政治家・官僚が日本を変えていってくださることを願わずにいられません。


<追記>

最近見た夢

広大な農地に育つ農作物、用水路の傍らに酷い色をした土、その土にも、もちろん農作物が。

ホットスポットである。

公共の検査機関が農地のそこかしこから農作物を採取する。

しかし、ホットスポットの農作物には手も触れない。

その作物は刈り取られ、子供達の口に運ばれる。

目が覚めてゾッとした。

この夢が現実に起こっている可能性は、ゼロと言えるだろうか?

運が悪いと諦める。それで良いのだろうか?