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東電様
「咽喉もと過ぎれば熱さ忘るる」という言葉はご存知でしょうか?
<2号機の爆発は最初から無かった。溶融した燃料はシェラウド内に留まっていて、残りは圧力容器の底にある。>
そうですか。1号機も同様ですか?
圧力容器内にある、炉心を囲む構造物をシュラウドといいます。
円柱型ステンレス製シュラウドの役割りは、炉心の燃料集合体を支えることです。
1)シェラウドの蓋であるシュラウド・ヘッドの下の上部格子板という障子のような格子状の構造物に燃料集合体の上部をセットすることで横ぶれを防ぎます。
2)底の部分にある炉心支持板から頭を出す制御棒案内管を支えることでその上に設置された燃料集合体をも支えます。制御棒は圧力容器の底へと続いています。
3)通常運転中のシュラウドは原子炉冷却水の流れをつくります。ジェットポンプという筒の装置で圧力容器とシュラウドの間から圧力容器下部に流れ、そのまま上昇し炉心支持板の下方から燃料集合体に水を送ります。
4)事故が起こって、原子炉圧力容器につながる配管に穴が開き、冷却水が外部に漏れてしまう非常時。非常用炉心冷却系でシュラウド内に冷却水を注入。シュラウドは冷却水を貯めておくという機能があります。
シュラウドは確かに炉心において素晴らしい役割を担っています。しかし、もの凄い欠点もあるのです。
腐食性のある環境下で、600〜700℃程度に加熱するとクロムと炭素が結合し鋭敏化を起こし、応力腐食割れ(SCC)を引き起こすという特徴があるのです。
今回の事故で水の代わりに何が注水されたでしょうか?
そうです。海水です。これはステンレス製シュラウドにとって禁止事項です。
小学生でも出来る実験:ステンレス製の物を、海水と同じ塩分濃度の塩水につけて数日後、外に出して空気に触れさせる。
どうですか?以外に早く腐食したでしょう。びっくりですよね。
さて、核燃料が溶融したことは東電も認めています。
溶融温度は2300度程度としましょう。
周りを囲うシュラウドは、海水とこの高温に耐えられず応力腐食割れを起こし破損します。
それだけではありません。溶融燃料に接している部分はこの高温により溶け出します。
だって、ステンレス製シュラウドの溶融温度は1500度程度ですから。
シュラウドが健全に機能し、健全に存在するなどと、今頃になって何を戯けたことをおっしゃるのか?
私たち国民がこんなにも辻褄が合わない説明に騙されると思うのですか?
テレビや新聞を騙せても、真面目に取り組む国民を騙すことはできませんよ。
初期の2号機のサブレッションチェンバの高線量はどう説明するのですか?データはとってありますが、凄い値でしたよ。
トレンチに溜まった、即座に人が死んでしまうような値の高線量汚染水はどう説明するんですか?
まるで、原子炉から燃料が漏れてなどいないような、この説明。
これなら、スリーマイルと同程度の事故ですよね。圧力容器内に燃料が留まったのだから。
レベル7は嘘ですか?
あなたたちは、言い訳を言う子供のようですね。
あなたたちの母親だったら叱っているところです。
追記
(今日のニュース)注水停止後38時間後には約2200度となり、再び核燃料が溶融して圧力容器が損傷し、格納容器に落下する恐れがある。
みなさん、赤い字の部分に着目してください。
過去に、メルトダウンして圧力容器から漏れた可能性があることを示唆するようなことを言っていたのに、これではまるで圧力容器はまったく損傷がないように聞こえますよ。それに、今まで一度も格納容器に落下したことが無いみたいに聞こえますね。
国民に嘘を刷り込むような姑息な手法です。
真実の中に嘘を混ぜて入れると人は騙されやすいということをそのまま使ったみたいですね。
東電の広報は、素晴らしい営業マンですね。会社にとって。
どうやら東電は、咽喉もとを過ぎたので、今までのことを、無かったことにしたいようです。