英・米・ソ・仏・中の核実験が行われていた1963年6月に放射性降下物が最大値を出しています。

1963年6月の月間降下物(1ヶ月間)《日本に降った最大の放射性降下物(フォールアウト)》

セシウム137

550,000,000Bq/k㎡(5億5000万ベクレル)


2011年3月の月間降下物(1ヶ月間)《原発事故の起こった月の放射性降下物(フォールアウト)》

(例)茨城県ひたちなか市

セシウム137

17,000,000,000Bq/k㎡(170億ベクレル)

1ヶ月間の積算量が国から発表されましたので比較しました。今回の事故の2011年3月の月間降下物は、核実験が行われていた頃の最大値、1963年6月の月間降下物をはるかに上回るものでした。
30.9倍に相当します

国の発表では単位は「メガベクレル/平方キロメートル」ですのでベクレルにして解り易くしました。

17,000MBq/k㎡=17,000,000,000Bq/k㎡

また、1963年6月の月間降下物は単位が「ベクレル/平方メートル」ですので平方キロメートルにして解り易くしました。

550Bq/㎡=550,000,000Bq/k㎡

三つの単位全部で表記してみましょう。


17,000 Bq/㎡=17,000,000,000 Bq/k㎡=17,000 MBq/k㎡


550 Bq/㎡=550,000,000 Bq/k㎡=550 MBq/k㎡

疑問があります。この文部科学省の発表では

「定時降下物とは別に、1ヶ月間採取し続けた降下物」

と表記されています。

どういうことなのでしょうか?茨城県ひたちなか市だけで比べてみると。

3月20日9時〜21日9時採取(1日)

セシウム137

13,000,000,000Bq/k㎡(130億ベクレル)=13,000MBq/k㎡(1万3千メガベクレル)

3月21日9時〜22日9時採取(1日)

セシウム137

12,000,000,000Bq/k㎡(120億ベクレル)=12,000MBq/k㎡(1万2千メガベクレル)

この2日間でセシウム137の合計値は

25,000,000,000Bq/k㎡(250億ベクレル)=25,000MBq/k㎡(2万5千メガベクレル)


それなのに、セシウム137の2011年3月の月間降下物は

17,000,000,000Bq/k㎡(170億ベクレル)17,000MBq/k㎡(1万7千メガベクレル)

とかなり減ってしまっています。あまりにも減りすぎて、誤差の範囲ではないし、セシウム137は半減期が長い(30年)ので、1ヶ月でこれほど減るのはなぜなのか…?

それでも、核実験時より30倍、もし、この2日間の25,000,000,000Bq/k㎡(250億ベクレル)が計算で使われるとなると、45.5倍ということになります。

そして、個人的に思うことですが、物理学者の方々はこういった紙の上でのデータを計算式にあてはめ、ほら、こんなに少ない線量だから大丈夫、といいます。
また、日本人の体内セシウム137の量が、1964年を中心に上がっているというデータを出して、こんなに受けているのにみんな元気だった、といいます。

さて、1964年のデータですが、成人男子は最高で531ベクレルです。
原子力百科事典ATOMICA《フォールアウトからの人体内セシウム(40年の歴史)(09-01-04-11)》
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-01-04-11

今回、ホールボディカウンターで調べた方たちの値をNHKで見て、少々驚きました。1000ベクレルを超えていました。(降下物が当時より多いので当たり前ですが)

データによる統計は私たち人間(個人)には歓迎できるものではないということを訴えたいです。
チェルノブイリの子供たちに甲状腺ガンが多く出ても、アメリカや日本は、原発事故との因果関係の確立には至らないと言い続けてきました。
20年後、その子ども達が大人になり結果はでました。甲状腺ガンの統計グラフの山がその子達の成長と共に移動していったのです。事故後に生まれてくる子達にそんなグラフの山は現れなかった。

アメリカも、日本も罪を犯しています。
統計は私たち人間を助ける為のものではないのです。
原発事故との因果関係を認めてあげれば、助からない子は1人もでなかったに違いない。甲状腺ガンは早期発見で治る確率が高い。自分が受けた被曝を自覚し、早期に見つけることが大切なのに、それを周りがフォローしなかった。他の疾病も同じ。結局、認めたのはそのあと、認めていないものの方が多い。その間にも一人の人間が死んでゆく。

こんなことを言う学者がいます。
1963年から1964年の低線量被曝した世代とそれ以外の世代で、○○癌の発生率が違うとか、晩発疾病でも、生まれた年によって違いがあるなどのデータがあるなら、核実験の放射能が原因と言えますがそんなデータはない。

そうでしょうか?そんな大雑把なマクロのデータで判断していて良いのでしょうか?
しかも、そんなデータはないって言いますがデータそのものが無いのですか?有るとしたら、そのデータは本当に信用に値するものですか?
いったい、何十年掛けて何人の命を見殺しにして出せば気に入る統計なのでしょう?

人によって個人差はあるし、一人一人綿密に密着してデータを作らなければ、精度の高いきちんとした統計なんて、できません。
本当の現実が知りたかったのならば、1963年1964年1965年に生存していた日本人の食生活を毎日記録し、食物の詳細なベクレル数を出し、それによる内部被曝を計算し、フォールアウトによる被曝において、どの放射性核種がどの器官にどんな影響があるか、こと細かく検査する。
そして各年代ごとに、医学的に弱い部分(例えば40代女性は、骨粗しょう症になりやすいからその頃ストロンチウムが体内に入ると多発性骨髄腫を起こしやすいとか)(例えば、タバコを吸う人達は血液や肺にリスクがあるが、その、タバコの原料の葉がどれだけ汚染されてどれだけのベクレル数なのか、吸入による内部被曝がある1963年1964年1965年に喫煙していた人が悪性リンパ腫を惹き起こしやすいとか)を予想しその関連性を研究する。タバコを吸うと癌の発生率が高くなり、放射線核種を吸い込むよりずっと危険だなどという学者は学問を放棄しているとしか思えません。タバコを吸っている人の中にも1963年1964年1965年にフォールアウトにより被曝したタバコの葉を吸い続けた人と、その後殆ど検出されなくなってから吸い出した人がいるはず、比較はできますよ。統計だけでなく、生物学の力や医学の力を借りて。
「人ゲノム」が解析されてからは、DNAレベルでの詳細な関連性を追うことが可能になったはず。もっとはっきり、どの放射性核種がどの器官にどんな影響を及ぼすか、予想ができるから、日本全国の医師と協力して本物の統計が出せる。
1963年1964年1965年に生存していた日本人は今もまだたくさん生きています。核実験をしなくなってから生まれた人と比べることはできました。原発が爆発する前までは。

でもそれで、誰が救われるのでしょうか?今度の原発事故の方が遥かに危険だったのに、過去と比べて、大丈夫、大丈夫と言う。

そう言う、あなたが、癌に侵されそれが放射性核種の成せる業だと、ゲノム解析で解りました。残念です。手遅れです。そう告知でもされなければデータと統計の落とし穴に気が付きませんか?

もっともっと生物学や化学のミクロの知識を物理学にも当てはめて考えましょう、でも、物理学の不確定性原理量子論は充分ミクロの感覚だと思うのですが、何がいけないのでしょうか?

思うに、自分の専門分野ではない分野を(人体の被曝は分野が複雑に絡んでいます、生物学・医学・化学etc)たいして勉強もせずに、物理学や化学だけの理論を強引に当てはめて、肩書きだけで、知ったかぶりをして一般人にしゃべることに問題があるように思います。

各分野のエキスパートの教授達を集めて、環境情報学などの総合的な分野の教授がまとめてくださったら、もっとまともな日本になるのにな…と思っています。

政府へお願いです。
茨城県北部の子供たちの、健康チェックもしてください。

お米のお話の前にどうしても言いたくて…。