1号機に注いだ水が圧力容器に溜まっていなかった件 & 2号機の建屋の中の凄い蒸気の正体 & メルトダウン
行方不明だった注水した水は、1号機の建屋の地下にありました

《東電によると、建屋地下のたまり水は東電社員が13日に1階北西側の階段を下りた際に確認した。
水は地下1階部分(高さ11メートル)の半分程度に達していることから、推計で3000立方メートル程度あるとみられる。
放射線量などは不明だが、直近の階段上部で毎時72ミリシーベルトあった。
地下1階部分には格納容器の下部や、格納容器につながる圧力抑制プールがある》

圧力抑制プール(サプレッションチェンバ)の放射線量はそこまで高くないので、サプレッションチェンバの損傷ではなくて、格納容器に穴が開いていて<サプレッションチェンバにつながる配管が損傷した可能性大>、そこから漏れて、溜まったたまり水です。

ということは、水が溜まった建屋の床に、溶融して溶液状になった燃料と溶けた制御棒が(プルトニウムやウラン、中性子を吸収するハフニウムやホウ素)混在していてたまり水で冷えている状態ですね。

日本では、メルトダウンと呼ばれています。(最近メルトスルーとかフルメルトとか言われだしました)

ついでに2号機の話

1号機と同じように2号機の建屋の中も地下1階部分の圧力抑制プール(サプレッションチェンバ)が<汚染されたたまり水の海>に沈んだ状態<水没>なんでしょうね。
2号機は格納容器に加えてサプレッションチェンバからも水が漏れ続けたんでしょうけど。

5月7日にサプレッションチェンバの放射線量が148sv/hだった2号機の、今日のサプレッションチェンバの放射線量は68.4sv/hです。


《2号機の建屋の中の凄い蒸気の正体 (ロボットが凄い蒸気で中に進めなかった4月19日)》


1号機と同じように、水が溜まった<水没した>地下1階の床に、溶融して溶液状になった燃料と溶けた制御棒が(プルトニウムやウラン、中性子を吸収するハフニウムやホウ素)混在している状態と考えられます。(一部だと思いたい)

しかも、一部の溶融物が(サプレッションチェンバ内の)臨界質量に達してしまったせいで、放射線量が100sv/h以上に跳ね上がり、建屋地下の温度も上昇して、超高濃度のたまり水が蒸発し、建屋内は水蒸気で満たされてしまったというのが真相でしょうか。
<ロボットが入った4月19日はもちろんのこと、16日〜25日あたりは、サプレッションチェンバの放射線量は100sv/h以上を頻繁にマークし、とても高かったのです>

2号機のCRDハウジング上部温度が4月10日あたりから上昇し始め4月12日には500度を超えています。
3月15日の爆発以来炉心溶融メルトダウン>が始まり、4月12日は佳境(溶液状の燃料が圧力容器の真下のペデスタルやサプレッションチェンバまで達した)だったのでしょう。
18日以降、温度計が壊れてしまい計れてません。
圧力容器ドレンパイプ上部も同じく4月12日には260度を超えています。
温度がその後異常な高温になっていないのは2号機原子炉内部で溶融物が臨界質量に達したわけではなく、外部の建屋、水没した地下で起こったため温度計に影響があまりなかったからではないでしょうか。
放射線量が100sv/h以上に上がった、2号機建屋地下1階のたまり水では、温度は上がってたまり水は蒸発をし続けていたのでしょう。
地下1階のたまり水の海に沈むサプレッションチェンバは穴が開いていたので、たまり水と一体化して、高い放射線量をマークしたのです。<100sv/h以上>

ロボットが入った4月19日同様、5月7日もサプレッションチェンバの放射線量が148sv/hと高かったということは、臨界質量になる程の燃料が再度一箇所に集まってしまったために、同じことが起こったと思われます。
そして、2号機原子炉および格納容器の内部で溶融物が臨界質量に達したわけではなく、格納容器の外部、水没した建屋地下で起こったため温度計にまったくと言っていい程影響が出なかった現象は、4月19日以降の時より顕著に現れています。(19日〜25日の段階ではまだ圧力容器ペデスタル床での崩壊熱やサプレッションチェンバでの小さな核分裂だったのではないかなと思います)
度々こうした現象が繰り返されることになるのでしょう。<1〜3号機すべてにおいて>

4月12日のブログで私の正直な見解を書いています。

『格納容器と原子炉の圧力も大気圧とさして変わらないし、原子炉と格納容器が、水漏れする単なる使用済み燃料プールになってしまったというのが私の感想なのです』

やっぱり、そうだったか・・・・・・・・。

でも、建屋の地下が<復水器兼燃料プール>になったと割り切って考えて、建屋からの水漏れを徹底的に調べて、2液の硬化剤<水ガラス>で塞いで、建屋の水に大量のホウ酸を投入して循環させたらどうでしょう。(圧力容器と格納容器と建屋地下の水を循環させるという意味です)

あと、できるならば、建屋の周囲を地下一階分掘り下げてFRPとかを流して硬化させて建屋自体の壁から水が染み出さないように努力する。

とはいっても放射線と戦いながらだから大変な作業ですね。