前回書いた2号機の内容に補足です。

2号機は爆発が下に向かっていったせいで、上部の使用済み燃料プールは無事のようですね。保安院のプラント関連パラメータを見てると、温度が安定しているのでわかります。

これは想像ですが、燃料プール冷却浄化系自体は生きていて、下方のサブレッションチェンバからのが使えなくても、復水貯蔵タンク(CST)からスキマサージタンクへ注入して燃料プール冷却浄化系の一部を動かしているのかもしれません。(唯一生きてる僅かな冷却機能かも)

1号機3号機4号機は残念ながらコンクリートポンプ車(でもすごく高いしピンポイントで注水できそう)で蒸発に合わせて水を足し続けています。昨晩、4号機の使用済み燃料プールの温度が上昇というニュースを聞きました。注水頑張って欲しいです。温度が上がると放射線量の上昇もあると思いますが、今までに放出した量にくらべれば少ないと思いますので原発から20キロ以上の距離があれば心配ないです。火災が起きて上昇したら気をつけるという感じです。

あと、原子炉にどこから淡水を注入してるのかというと、想像ですが、たぶん、原子炉内の圧力が高い1号機には、水を注入するにも高圧な機能が必要なので、復水・給水系(CW/FW)の原子炉給水ポンプを何台か使って入れていると思うのです。

東電のホームページ“平成23年4月13日15時作成「東日本大震災における原子力発電所の影響と現在の状況について」”の中で3号機の場合ということで、消火系による原子炉への注水操作をしていることが載っています。

2号機3号機は原子炉内の圧力が低いので、ホウ酸水注入系(SLC)(消火系ってこのこと?)のホウ酸水注入ポンプで入れているのかな?と想像してます。

図解入りで、ものすごく解りやすく書いてあって良心的です。

経済産業省原子力安全・保安院の発表について》

原子力安全委員会は、ヨウ素換算で63万テラベクレル(=63京ベクレル=630,000,000,000,000,000ベクレル)の放射性物質が放出されたと推定。

経済産業省原子力安全・保安院は、ヨウ素換算で37万テラベクレル(=37京ベクレル=370,000,000,000,000,000ベクレル)の放射性物質が放出されたと推定。

みなさんこの差は・・・・・・・。どちらを信じますか?

私は、原子力安全委員会を信じます。

保安院原発を推進する側の経産省資源エネルギー庁)の外局にあたり、人事交流もある、見通しが甘くなる気がします。

原子力安全委員会は日本のシンクタンク(頭脳集団)がプライドを持ってやっていますから、間違うことはしないでしょう。

みなさんこの値を聞いてびっくりするでしょうが、ほとんどはトレンチの値だと思います。1シーベルトを振り切ってしまって値が解らない、単なる高濃度の汚染水として報道されていた2液性硬化剤を使った(水ガラスと炭酸水<予想>の化学反応)あの水です。

東電のホームページにはこの、2号機の溜まり水も詳しく載っていて、2号機トレンチ内の汚染水は、 ヨウ素131: 6.9×106Bq/cm3 セシウム137: 2.0×106Bq/cm3放射能をもっているそうです。

たった、一センチ四方の中の水が一秒間に出す放射線の数(ベータ崩壊した時にでるベータ線ガンマ線)を表しています。ヨウ素131だったら6,900,000ベクレルで、セシウム137なら2,000,000ベクレルという凄い値です。ヨウ素131が一秒間で6,900,000の数の放射線を出すなんて想像もつきません。これが気化して1リットル分ぐらい吸入したとしたら命が幾つあっても足りないですね(−−)  《7回分?》
原子力安全委員会は、爆発やベントで大量に放射線が出た3月11日から4月5日までの、大気中への放出量を計算してくれています。

ヨウ素131が1.5×1017Bq
セシウム137が1.2×1016Bq

150,000,000,000,000,000ベクレル+12,000,000,000,000,000ベクレル=162,000,000,000,000,000ベクレル
大気中のヨウ素131とセシウム137を合計しても 630,000,000,000,000,000ベクレルにほど遠いのです。大気中以外の放出量のほうがはるかに大きいということです。(これは近距離の場所への汚染が高いということを示していると思います)

それに2号機3号機は大分放出してしまったから、現段階では、今まで放出したよりも少ない放射線量を残しつつ安定しているし、結果、現在の大気中も小康状態を続けています。
あらたに何か事故が起きない限り大丈夫です。収束には長い時間が掛かりますからしっかり見張りつつ日々過ごしていきましょう。

《疑問》

とっても不安な疑問がひとつ、2号機の原子炉圧力容器の底は全部存在しているんだろうか?
3月後半から今日までのデータを見ていると不安になるのです。(・・)
2号機は原子炉圧力がわずかにマイナス(大気圧を0とした時のゲージ圧)だけど大気圧にちかいから、ということはもしかして底が一部存在してなかったとしたら格納容器の中は水がいっぱいで原子炉水位と等しくないと変?
2号機から漏れたトレンチとタービン建屋地下の高濃度汚染水は、破損していない1号機のサブッレッションチェンバの放射線量より(漏れていない閉じ込められている水)5〜6倍高濃度だから燃料の溶融したものに直接接触した水としか思えない。(初期に注入した海水が不純物の多さで高濃度?という見方もあるけどそれならなぜ2号機だけが高いのか?)

そうなると原子炉圧力容器の底が破損して格納容器の水と混じりあっている?

海への汚染を防ぐ方法を世界中のシンクタンクの力で生みだし、なんとか早く実行(建設)してもらいたい。
祈るしかできない自分がはがゆいです。


一度このサイトで山岸涼子さんの漫画を読んでみてください。お勧めです。

     http://usio.feliseed.net/paetone/




昔読んで考えさせられたものが、公開されているのを見つけました。