昨日、福島第一原発に影響するような強い地震がありました。

1号機は現在も危険な状態が続いています。

原子力安全・保安院は、8日、福島第一原発一号機の原子炉格納容器内の放射線濃度が、毎時100シーベルトに上昇。これは前日に比べて、3倍以上も高い放射線濃度にあたり、同炉内の温度と圧力も上昇

 京都大学原子炉実験所の小出裕章助教は、放射濃度の急上昇に加え、原子炉の温度や圧力の急上昇していること、更に塩素が中性子に反応して生まれるクロル38という塩素が原子炉内で発見されたことなどから、炉内で再臨界が起きている可能性が高いと指摘する』

痛手が大きく密閉度が保てない2号機と3号機に比べてまだ痛手が少ない分、爆発の可能性大の1号機、その1号機が再臨界して核分裂により発生する中性子が原子炉内で間接的に発見されたということです。

毎時7シーベルトでほぼ人は即死ですからこの値がどれだけ高いものか・・・。

ただ、この後、計器不良ということでその後の放射線濃度は出されていません。しかし3月20日の3号機格納容器内が毎時71.7シーベルトだったことを考えると、再臨界していればありえない数字ではないですね。

『その3 原発の状況と天気と風向きについてのおはなしです』『その6「限界線量以下だから安全」ではなくて、人間ここまでは我慢できる、という値にすぎない』の中で書いていますが再臨界のプロセスは、

“燃料棒が水面から露出し被覆管の中心部の温度が上昇すると、燃料棒の一部が破損し(炉心溶融)、被覆管中のジルコニウムが水と反応し水素が発生、核分裂を起こさないウラン238中性子を吸収する(ウラン238は高速中性子も中速中性子もキャッチします)吸収するとウラン239になり、半減期23.5分でベータ崩壊して、ネプツニウム239になり、また、半減期2.35日でベータ崩壊してプルトニウム239になる。

生成したウラン239、ネプツウム239のベータ崩壊及びガンマ崩壊熱によってさらに燃料棒の温度が上昇し(炉心溶融がすすむ)、プルトニウム239やウラン235核分裂を起こしやすいので、熱中性子、高速中性子や中速中性子をキャッチし核分裂連鎖反応を起こし核分裂生成物質が生成され放射線濃度が上がる。”

政府は3月の水素爆発の経験から、水素爆発を回避するべく、先手として窒素注入をし、1号機内の水素が4%以上になってしまうのを防いでいます。原子炉への注水も引き続き行われています。注水が途切れたりせずに温度も下がれば小康状態となります。

2号機についても今までふれていなかったのですが。実は、怖くて書けなかったのです。でも書きます。

 復水器があるタービン建屋と外部トレンチの死の汚染水は構造上サプレッションチェンバ(S/C)が壊れたのが関係していると思われます。

形はドーナッツのようになっていて、テレビでは、よくドーナッツを輪切りにした断面図の円形で表されています。

サプレッションチェンバ(S/C)はとても重要な役割をしていて、炉心を冷やすしくみのほとんどに何らかの関わりを持っています。

直接的には、高圧炉心注水系(HPCF)や残留熱除去系(RHR)や原子炉隔離時冷却系(RCIC)やサプレッションプール浄化系等がサプレッションチェンバ(S/C)から出入、また、各系の先には復水貯蔵槽や復水貯蔵タンクや燃料プール冷却浄化系、原子炉補機冷却水系、原子炉冷却材浄化系など様々に分化して役割を担っているようです。

原子炉を制御し安定させるということは、冷却機能を取り戻さなくてはいけないのに、2号機はその心臓部がない。

1号機も3号機も除熱機能は損なわれていて、注水したものがひたすら汚染水になり増えていくばかりなのは同じですが、長期的ですが、まだ、外部からサプレッションチェンバを利用して何らかの冷却水のサイクルを外付けで建設する(汚染水を循環させて外部にださないような仕組み)とかできるかもしれません。(建設しなければならないのでどのくらい長期かは想像できますよね)

2号機は爆発が下に向かっていったのでしょうか、ずっと白い蒸気を出し続けていたけれど、放射線量が3月20日の毎時62.5シーベルトから外に少しずつ流失していっていると思われるデータを原子力安全保安院が出しています。(3月20日からしか解らないのですが15日はさぞやもっと高い値だったのだろうということは容易に想像できます)

格納器と原子炉の圧力も大気圧とさして変わらないし、原子炉と格納器が、水漏れする単なる使用済み燃料プールになってしまったというのが私の感想なのです。

3号機は2号機とは反対に上に向かって爆発したため、使用済み燃料プールをはじめ、様々な系の接続部分を破損して、やっぱり、放射線量が3月20日の毎時71.7シーベルトから外に少しずつ流失していっていると思われるデータを原子力安全保安院がだしています。ただ、下方のサプレッションチェンバなどは大丈夫みたいですが。

原発近くの村や町(遠く関東圏内も)で20日〜26日の間、高い放射線量の降下物を記録した理由の一つであることが解ります。

一度このサイトで山岸涼子さんの漫画を読んでみてください。お勧めです。

     http://usio.feliseed.net/paetone/



昔読んで考えさせられたものが、公開されているのを見つけました。