先日、自衛隊が撮った1号機から4号機までの接近写真が公開されました。アメリカ提供の無人機で撮ったものでしょうか、中の状態がよく判る写真でした。

1号機の中は、1号機で起こった水素爆発が真上というよりは花が咲くように建屋の側面に広がったせいでしょうか、建屋の天井がそっくりそのまま1号機の中に落ちたような、細かい瓦礫に埋め尽くされて中の状態は見えません。

3号機は、モックス燃料というプルトニウムを混合した燃料のせいでしょうか、プルトニウムはウランに比べて桁違いのエネルギーをもっていますから、〔爆発はキノコのような形でかなりの上空に吹き上がり、残念ですが上昇気流にのってヨウ素131も広範囲に拡散した疑いがあります〕そのせいでしょうか建屋の瓦礫は1号機とは違い粗くて、1号機よりは中が見えます。

4号機も陸側では損傷が少なく見えていましたが、海側からは中が見えるほど、建屋内部の火災がひどかったようです。〔やはり、火災の熱で上昇気流にのって拡散した疑いがありますがこのときの風向きは西から東、海へと向かっていたので、東北や関東への被害は少ないと思います。そのかわり、海が汚染されたと思います。〕風向きは本当に重要です。

汚染をくい止めるために、壊れた系統を復活させる作業ができるよう。必死で東電は真水(Н2O)に変える作業をしています。以下は今日までに起こったことです。(東電の記録より抜粋)

1号機
3月12日午後3時36分頃、直下型の大きな揺れが発生し、1号機付近で大きな音があり、白煙が発生。
3月12日午後8時20分に海水の注水を開始し、その後、中性子を吸収するホウ酸の注入も実施。
3月23日午前2時30分頃、給水系から原子炉への海水注入を開始。その後、3月25日午後3時37分より淡水注入を開始(海水からの切り替えを実施)。

2号機
3月14日、原子炉隔離時冷却系が停止したことから、午後1時25分に、原子炉冷却機能喪失が発生したと判断
3月15日午前6時14分頃、2号機の圧力抑制室付近で異音が発生するとともに、同室内の圧力が低下したことから、同室で何らかの異常が発生した可能性があると判断。原子炉への海水の注入を実施。
3月20日午後3時5分頃から午後5時20分頃に、約40トンの海水を使用済燃料プールへ注水(東電実施)。
3月21日午後6時20分頃、原子炉建屋屋根部から白いもや状の煙が出ていることを確認。3月22日午後4時頃から午後5時頃までに、約18トンの海水を使用済燃料プールへ注水(東電実施)。
3月25日午前10時30分から、使用済燃料プールに燃料プール冷却材浄化系を用いた海水の注入を開始。同日午後0時19分終了。
3月26日午前10時10分より淡水(ホウ酸入り)注入を開始(海水からの切り替えを実施)。3月27日午後6時31分、消防ポンプから仮設電動ポンプによる淡水注入に切り替えを実施。

3号機
3月13日にホウ酸注入(原子炉への海水の注入を継続)
3月14日午前11時1分頃、3号機付近で大きな音があり、白煙が発生。これにより、東電社員4名、協力企業作業員等3名が負傷(いずれも意識あり)したが、救急車を要請し、すでに病院へ搬送。
3月17日、使用済燃料プールの冷却のため、自衛隊のヘリコプターによる放水を実施。
3月17日午後7時過ぎ、警察や自衛隊の放水車による放水を開始。午後8時9分、放水終了。
3月18日午後2時前、自衛隊アメリカ軍の協力で、消防車による放水を開始、午後2時45分に終了。
3月19日午前0時30頃、消防のハイパーレスキューによる放水を開始し、午前1時10分頃に終了。同日午後2時10分頃、ハイパーレスキューによる放水を開始。
3月20日午前3時40分頃に終了。
3月20日午後9時30分頃、ハイパーレスキューによる放水を開始。
3月21日午前3時58分頃に終了。
3月21日午後3時55分頃、原子炉建屋屋上南東側からやや灰色がかった煙が発生。原子炉圧力容器、原子炉格納容器のパラメータ、周辺環境モニタリング値に大きな変動はみられない。
3月22日午後3時10分頃、消防のハイパーレスキューによる放水を開始し、同日午後4時頃に終了。
3月23日午前11時頃から、使用済燃料プールに海水の注入を開始し、午後1時20分頃に終了。
3月23日午後4時20分頃、原子炉建屋から黒色がかった煙が発生していることを確認。原子炉圧力容器、原子炉格納容器のパラメータ、周辺環境モニタリング値に大きな変動はみられない。
3月24日午前4時50分頃、煙の発生が止まっていることを確認。
3月24日午前5時35分頃から、使用済燃料プールに燃料プール冷却材浄化系を用いた海水の注入を開始。同日午後4時5分頃終了。
3月25日午後1時28分から、消防のハイパーレスキューによる放水を開始。同日午後4時に終了。
3月25日午後6時2分より原子炉への淡水注入を開始(海水からの切り替えを実施)。
3月27日午後0時34分頃より、コンクリートポンプ車による放水を開始。同日午後2時36分頃に放水終了。

4号機
3月15日午前6時頃、発電所内で大きな音が発生、4号機原子炉建屋5階屋根付近に損傷を確認。同日9時38分頃、原子炉建屋4階北西部付近に出火を確認後、自然に火の消えていることを確認。
3月16日午前5時45分頃、原子炉建屋北西部付近から炎が上がっていることを確認。消火活動実施。同日午前6時15分頃、現場で火が見えないことを確認。
3月20日午前8時21分頃、自衛隊の消防車による放水を開始、同日午前9時40分頃に終了。また、同日午後6時45分頃から、自衛隊の消防車による放水を開始し、同日午後7時45分頃に終了。
3月21日午前6時30分頃、自衛隊アメリカ軍のご協力で、消防車による放水を開始。同日午前8時40分頃に終了。
3月22日午後5時20分頃、コンクリートポンプ車による放水を開始。同日午後8時30分頃に終了。
3月23日午前10時頃から、コンクリートポンプ車による放水を開始。同日午後1時頃終了。
3月24日午後2時35分頃から、コンクリートポンプ車による放水を開始。同日午後5時30分頃終了。
3月25日午前6時5分から、使用済燃料プールに燃料プール冷却材浄化系を用いた海水の注入を開始。同日午前10時20分終了。
3月25日午後7時5分から、コンクリートポンプ車による放水を開始。同日午後10時7分終了。
3月27日午後4時55分から、コンクリートポンプ車による放水を開始。同日午後7時25分終了。

※3月21日、23〜26日、発電所放水口付近の海水からテクネチウム、コバルト、よう素、セシウムテルルバリウム、ランタン、モリブデンを検出。

※3月20日、21日、23〜26日に採取した発電所敷地内の空気中からよう素、セシウムテルルルテニウムを検出。

※1〜4号機タービン建屋内に溜まり水があり、放射性物質が含まれていることを確認。1号機については排水処理を実施中。

※3月27日午後3時30分頃、1〜3号機タービン建屋外のトレンチの立坑に水が溜まっていることを確認。水表面の線量については、1号機が0.4mSv/h、2号機が1,000mSv/h以上。なお、3号機の線量を確認できず。立坑内の水を引き続き監視中。

この記録を読んでいると、本当に、最前線で活躍されている方々の使命感と、尽力に涙がでてきます。本当にご苦労様です。

2号機のタービン建屋外のトレンチの立坑に1,000mSv/h以上の被害を受けるような水が溜まっていることについては、解決するまでに時間が掛かるとは思います。復水器の水を別のタンクに移動して、作業員の方々の被曝被害を最小限に抑えつつ、ポンプで復水器に汚染された水を入れるのは、本当に大変なことだろうと思います。頑張ってください。

そして、できるだけ迅速に正しいデータと情報を出してくださるようお願いします。

大気中のプルトニウムについてはきっと、気象庁気象研究所があるつくばで計測、研究が進められているのではないかと思うのです。

文科省も土壌のプルトニウム検出を各所でするそうなので、データと見解を待ちたいと思います。